患者がレメディを語る ~ホメオパシー患者学4
【セッションを受けてみましょう】
ホメオパシーのセッションでは、何が行われるのでしょう?
別の記事で書いたように、セッションでは問診のみです。
ホメオパスが内科医だったり、カイロプラクターだったりすると、触診や聴診などもあるかもしれませんが、基本的にはホメオパスの質問に患者さんが答えるという形で進められます。
ホメオパスによっては、事前に質問票や問診票を送ってくる人もいます。
また、セッションの記録は、手書き、PCにタイプ、録音、これらの組み合わせ等、様々です。患者さんの言葉・表現を重視するので、セッションの記録は後で分析するためにも重要な作業です。
言うまでもなく、どのような記録媒体を使おうと、セッションの内容は慎重かつ厳重に極秘事項として管理されます。
質問の仕方、進め方はホメオパスによって違いますが、どういう事を聞かれるにせよ、
あなたの「主観的な」感覚、考え、イメージ、言葉をそのままホメオパスに伝えてください。
あなたがどう感じるか?あなたがどう想像するか?あなただったらどうするか?それを話してください。
あなたが世界をどう見ているか?あなたが自分自身をどう見ているか?ホメオパスはそれを知りたいのです。
どうしても触れられたくないことについては、答えなくても構いません。
ホメオパスはそれを強要はしないハズです。
しかし、あなたが話してくれれば、それだけホメオパスがレメディを見つけるのを助けることになります。
時には、恥ずかしいこと、後ろめたいこと、色々あるかもしれませんが、ホメオパスは、あなたが話したことを「良いことか悪いことか」という判断はしません。
ホメオパスは神ではありませんし聖人でもありませんが、警察官でも裁判官でもありません。ホメオパスは「ただ純粋な観察者」であり、あなたの健康を回復させることがホメオパスの唯一の使命なのです。
基本的には、ホメオパスに聞かれた事に対して、パッとアタマに浮かんだことや感じた事を、そのまま話すのが一番良いと思います。もちろん質問によっては、じっくり考えなければならない内容もあるでしょう。しかし、ホメオパスに上手に説明しようという努力はしなくてもいいと思います。大事なのは、あなたの言葉で語ることです。
とはいえ、いきなり聞かれると、案外答えに困ったり思い浮かばなかったりするので、人によってはあらかじめ整理しておいた方がいいと思われます。最初は、色々な事を聞かれてとまどうかもしれません。我々は案外、自分について、特に内面について語る事に慣れていないものです。
また、メモを取っておいたり、日記をつけるというのは良い方法だと思いますが、全ての項目についてビッシリとノートに書いてセッションに持っていく必要はありません。そもそも、そういうことが負担に感じるようであれば、ムリに記録を取る必要はないのです。そういう面もまた、あなたの特徴であり、症状でもあるのです。
しかし、逐一書いたりしなくても、ホメオパシーの治療をキッカケに、自分の状態、感じ方、人間関係などに想いを巡らせるという作業は、自分を見つめなおす良い機会になるかもしれませんね。
具体的に質問される可能性のあることを、全部列挙する訳にもいきませんが、少し挙げておきます。
主訴や、他に心身にどのような症状があるか?
現在の症状の他、既往症や、家族や家系に似たような病気を持った人がいるかも聞かれるでしょう。
当然ながら、体質的なことも聞かれます。「~に、~が出来やすい」「~になりやすい」といったことです。
また、赤ちゃんや幼い子供の場合、妊娠中や出産時の状態、出来事や、出産後の状態、母乳で育てたか、離乳食はいつ始めたか等も聞かれるでしょう。これらは成人でも聞かれる時があります。
症状をどう感じるか?
症状は、人によって感じ方が違います。痛いとか痒いといった症状も、刺すように、針で縫うように、焼けるように、押されるように、バンドで締め付けられるように、ヒリヒリする、引っ張られるように、塊があるような、虫が這っているような・・・等々、様々です。こういった「まるで~のように(As if ~)」という形で、あなたの主観を通して心身の反応を表現した感覚(Sensationと言います)は、大変有用な情報です。
また、症状を感じている時(痛い時や発作が出ている時)に、あなたが良く思い浮かべることや感じること、例えば、不安や恐怖、怒り、それらが具体的にどういうものなのか?「この咳が私を殺そうとしている」「この咳をコントロールしなければ」「だれかそばにいて」といった具合です。特定の人やモノを思い浮かべる場合もありますね。人によって色々な感じ方があります。「何も感じない」というのも、立派な(?)感覚です。
どういう時、好転/悪化するか?
こういった傾向・条件を基調(Modality、モダリティ)と言い、2通りあります。
1つは、特定の症状に関係するもの。もう1つは、あなたの全般に関するものです。全般に関するものとは、特定の症状に限らず、暑いと具合が悪くなる、寒いと具合が悪くなる、タートルネックのセーターが苦手、1人でいると具合が悪くなる、髪の毛が濡れたまま寝ると具合が悪くなる・・・等です。
もちろん特定の症状と全般に関する基調が一致している場合もあります。
基調には、時間、天候、温度、飲み物・食べ物、場所、動作、状況(1人でいる、暗闇、人ごみ、人間関係等)などが含まれます。また、症状の状態や場所が変わりやすい、片側だけ、左右対称/非対称や、方向(右から始まって左へ等)なども含まれます。
「なぁんだ、簡単じゃないか」と思うかもしれませんが、全般的な傾向などは案外よく思い返してみないと、出て来ないことも多いものです。
あなたはどういう人か?
自分が認識している性格、考え方、行動の特性、気性等です。
変わった習慣やくせがあるか?
「こんな事言ったら、ヘンな人だと思われるかも」といった“ちょっと恥ずかしいコト”や、日頃から「こういう事って、自分だけが感じて(行って)いるんじゃないか?」という事があったら、是非ホメオパスに話してみてください。逆に、自分では当たり前だと思っている事が、他人には当たり前でない事もありますし、自分では「すごい変わってる」と思っている事でも、他人はそうは思わない事もあるでしょう。
人からどういう人だと思われているか?
上と関係して、あなたが多くの人からどういう人だと思われているか、そして、それについてあなたがどう思っているか、人から自分について指摘された事で、「意外に思った事」や「誤解だと思ったこと」なども良い情報だと思います。
人間関係についてはどうか?
現在の、しばしば過去の、家族やパートナーとの関係、職場での人間関係について聞かれることが多いと思います。
この部分は人に聞かれたくないことも多いものです。ホメオパスがそういった部分について質問する時もありますし、そうでない時もあります。先に書いたように、ムリに話す必要はありませんが、話したくないような部分にレメディを見つける鍵が隠されている場合もあります。今、話したくないのであれば、あなたの心に従って自然に言葉が出てくるまで、ホメオパスに待ってもらいましょう。1回のセッションで全てを出し切る必要もまた無いのです。
そういった流れになるかどうかは、セッションの自体の展開によりますし、ホメオパスとの関係にもよるのだと思います。私が前の記事に書いた、患者さんとホメオパスの「いい関係」というのは、こうした会話が深い共感と信頼に支えられて自然に流れていくような、そんな関係だとも言えます。
女性の問題
月経期の女性は、女性特有かつその人特有の「症状」を持っています。全ての女性が持っている症状(無月経も含めて)ですが、その特徴は様々です。
更年期にも、人によって様々な症状が現れます。
月経の間隔や状態等に無頓着だったり、酷い痛みや排泄物の異常等をヘンだと思わなかったりする人が案外多いので、念のため書いておきました。
繰り返し見る夢や、特に印象深い夢はあるか?
夢日記をつけるというのは、他のセラピーや自己啓発法で結構勧められています。ホメオパシーのセッションという目的以外でも有用な場合が多いですし、結構楽しいものらしいです。私は、夢日記はつけていませんが、印象深い夢を見たら記録しています。ムリに夢日記をつけることはありませんし、特に変わった夢は見なくても、夢の傾向、例えば、いつも怖い夢を見る、予知夢のようなものを見る、必ず仕事で失敗する夢を見る・・・等、夢の傾向があれば、それを覚えておきましょう。
大抵のホメオパスは以上のような質問をしてくると思いますが、全く聞かれない項目もあるかもしれません。
実はホメオパスの立場からすると、自然な答えを聞くためには、こういう事を患者さんに吹き込まない方が良いのかもしれないのですが・・・まあ、どんなに日頃意識していても、出て来ないものは肝心な時にも案外出てこないものです(笑)
ホメオパスによっては、呆れるほど何度も同じ様な質問をします。「またその質問?」と感じる時もあるかもしれません。
「ホメオパスは、バカ(Idiot)になって何度も質問しなければならない」と教える世界的に著名なホメオパスもいますから、通常そのホメオパスがバカなのでもありませんし(笑)、あなたの説明が悪いワケでもありません。同じ様なことを、色々な切り口で捉えようとしているのです。
そして、どの様な質問の仕方をしたとしても、ホメオパスが聞きたいのは、あなたの「言葉」です。あなたの魂の叫びと言っても良いかもしれません。
ホメオパシーでは、あなたが、あなたのレメディを語るのです。
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