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2006年2月25日 (土)

Nick's 東京セミナー 1

2月18、19日に開催されたNickのセミナー。2回目の今回は、受付として(?)参加しました。

ご参加の皆様、ありがとうございました。
日本に、こんなにも多くの人が、熱心にホメオパシーを勉強しているのだと実感出来て、大変嬉しく、心強かったです。

Nickも、参加者の熱意が感じられて嬉しかったと言っています。
自分が日本に来て教える意義があるのだと、改めて実感したようです。

さて、セミナーの内容をここでつらつらと並べても仕方がないので、少し前提というか背景となる部分について書きます。

Nickは現在、Massimo MangialavoriとRajan Sankaranのメソッドをベースにしています。
Massimoのケース分析とマテリア・メディカ、Sankaranのケース・テイキングです。

Massimoについては、彼のケース・テイキングは、言うなれば天才の成せる技であり、誰も真似出来ないし、それを教える事も出来ないものらしく、それがプラクティショナーとしても教師としても、Nickにとっての悩みだったようです。
Massimoのセッションにおいては、患者さんは魔法がかけられた様に、実に自然にレメディ選択に貴重な情報を話し、Massimoはただ座っているだけ。といった感じらしいのです。
そんなある時、Sankaranのケース・テイキング・メソッドに出会い、何か閃くものがあったようです。非常にパワフルで有効な方法であり、しかもシステマティックで、ある意味誰でも習得が可能ということです。

レメディについて、MassimoもSankaranも、共にKingdomあるいはFamilyという分類からのアプローチを取っています。
しかし、両者の分類は、細部では若干違いがあり、特にMassimoの分類は、所謂学術的な分類に厳密には従ってはいません。
Massimoのレメディ=マテリア・メディカは、臨床において治癒したケースをベースにしており、Nickは最も信頼の置けるものと位置付けていて、Sankaranのものよりも優先しています。
この事もあってか、Nickが自身で実際に行っているケース・テイキングは、Sankaranのオリジナルとは若干違っています。
ISHLでは、Nickの他に、Sankaranメソッドを専門的に研究・実践しているホメオパスを講師として、オリジナル(?)のSankaranメソッドも勉強しています。
但し、Nickの場合、彼の言うところの「Classic」な、つまりハーネマン、ケント以来の伝統的なマテリア・メディカにも精通していますので、MassimoやSankaranに凝り固まっているわけでもありません。

利用者として、現在の問題点は、MassimoにしてもSankaranにしても、マテリア・メディカが全て本という形で出版されていないことです。
Sankaranは、「An Insight Into Plants」という本(全3巻・2巻まで出版済)で、Plantについて公表しているものの、AnimalとMineralについては、まだ出版されていません。
(「The Soul of Remedies」という本があります。これは大変参考になります。)
逆に、Massimoの方は、Plantについて書かれた本はありません。
Sankaranは、Mineralについては、Scholtenの理論をベースにしていますので、Scholtenの本(「Homoeopathy and The Elements」、「Secret Lanthanides」)と、「Sankaran's Schema 2005」という、彼のコンセプトをまとめたチャート・ブックがありますので、かなり情報が出てきました。
とはいえ、これらも現実のケースに当てはめるには、ただ本を読めば出来るというものでもないので、経験豊富なホメオパスに教えを請うしかありません。
そういった意味で、Massimo及びClassicなマテリア・メディカに精通しているNickは、教師としても稀有な存在といえるでしょう。

Kingdom / Familyアプローチの強みは、ケースにおいてKingdomやFamilyが特定出来れば、千個単位で他のレメディ群を無視できる事です。更に個々のスモール・レメディのピクチャを全て暗記する必要もないでしょう。
しかし、しばしばKingdomやFamilyが特定しにくいケースに出くわします、こういった時には、広範なマテリア・メディカの知識と、レパートリーのテクニック等が必要になります。
ISHLでは、このような場合の対処の仕方についても、当然教えています。

Miasm(マヤズム)について興味をお持ちの方も多いでしょう。
Sankaranのコンセプトは、ケース・テイキング手法と、Kingdom (Family) +Miasmによるレメディ選択がベースになっています。
ここで詳しくは書きませんが、Sankaranの唱えるMiasmの分類は、ハーネマンのオリジナルの3つよりも多く、10個になっています。また、そのコンセプトもハーネマンのものとは若干・・・んーかなり違います。
従って、ハーネマンの3つに7つ加えたものではなく、全く別の体系と考えた方が良いと思います。
Massimoは、マヤズムについては全く考えていないかのようです。従って、彼のマテリア・メディカには、全くと言って良いほどMiasmについては触れられていません。
いずれにしても、MassimoやSankaranのマテリア・メディカに初めて接した人は、少々違和感のようなものを感じるかもしれません。

Sankaranのケース・テイキング手法は、現在彼のコンセプトの中核となっている、患者さんの「Sensation(センセーション)」これに近いレベルにある「Delusion(デルージョン)」、そしてSensationよりさらに深いレベルにある「Energy(エナジー、エネルギー)」さらにその先のレベルの「何か」を探るために編み出されたものです。
つまりヴァイタル・フォースそのものを、出来るだけヴィヴィッドに見ようとしている訳です。
彼は、ハーネマン以来の伝統的なケース・テイキングの手法、つまり現れた症状の全体像(Totality)を把握する事によって、ヴァイタル・フォースの乱れを捕らえようとする、「周辺から中心へ」というヒエラルキーを、全く逆にひっくり返しました。
彼は、心と身体全てを貫くエネルギーのありさまを、SensationやDelusionを追求する事によって見出し、「中心から周辺へ」という方向で患者さんの全体像を把握しようとしているのです。
これに伴い、彼のマテリア・メディカは、中心の乱れ(Sensation)が全体像にどのように反映されているかに主眼を置いて記述されています。(「An Insight Into Plant 1&2」、「The Sensation in Homeopathy」を参照のこと)

Sankaranの手法の大きな特徴は、HG(ハンドジェスチャー)に注目するということです。
動きを伴うもの、動的なものには、エネルギーが表現されています。
特に、患者さんがSensationやDelusionについて語る時に繰り出されるジェスチャーには、その患者さんの中心的なエネルギーが内包されていると考えます。
しかし、Nickもセミナーで語っていたように、ジェスチャーについて患者さんに聞くのは、時に恥ずかしくもあり、また、私自身のつたない経験からすると、メモを取りながらジェスチャーに注意を払い、さらにSensationに付随したものについて質問するというのは、結構難しいことであり、かなりの訓練が必要です。
ジェスチャーに限らず、Sankaranの手法を習得するには、この手法において経験豊富な人に師事して、実際のケースやヴィデオ、あるいはペーパー・ケース等で、繰り返し繰り返し、実践して慣れて行くしかありません。

Nickは、是非Sankaranの手法を実践してみてくれと、セミナーで語っていましたね。
実際に使ってみると、その難しさもさることながら、高い効果が実感できると思います。
Nickがセミナーで紹介したようなテクニックの他に、メモの取り方に至るまで、色々なテクニックがあります。
1人で考えて行くというのも、1つのスタイルですが、ISHLやISHJのような学校で学んだり、スタディ・グループのような形で、何人かでケースを持ち寄って研究し、スキルを磨いて行くといったことが必要だと思います。

本当は、セミナーの時に、参加者の皆さんとこういった事について語り合いたかったのですが、そういった機会を持てなかったのが、唯一の心残りです。

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