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2010年9月 1日 (水)

最近の新聞報道4

前回、レメディと薬の併用について述べた。

私は今まで、ガンになった時も含めて開腹手術を2回やったし、小さいころには湿疹でステロイドを使っていた。
その後、発ガンをキッカケに、西洋医学の薬は一切使わずに14年になる。
実際、私は『クスリ大嫌い』『超西洋医学嫌い』であるし、家族も含めて周囲もそういう風に見ている。

その上で、「でも、いざという時には、薬を使ってください」と言っているのだ。
なんとなく、レメディを多用する人をたしなめた感じになっているが、「レメディを使いたい、薬は使いたくない」「薬を使いたくないから、ホメオパシーをやっている」という気持ちは、とても良く分かるのですよ。

これも前回述べたが、ホメオパシーの勉強をする、あるいは患者としてホメオパシーを利用する人は、もともとナチュラル志向の人もいるが、西洋医学でヒドイ目に遭った人や、自分の子供への医者の治療(処方)に疑問を持ったことがキッカケでホメオパシーの門を叩く人が多い。
この傾向は、別にホメオパシーに限ったことではなく、他の代替療法・民間療法についても大体似たような状況だと思う。

報道で医療敬遠に危機感とあったが、医者に見放されて代替療法という選択肢しか残っていない人、あるいは、そう思わざるを得ないような(ヒドイ)体験をした人にとっては、西洋医学の方がよっぽど危険なのである。
それほど危険な目に遭っていないとしても、西洋医学に対して「なんかヤバいんじゃない?」と感じている人が多いんじゃないかな。

まあ、感覚的な話なので説得力無いと思うけれど、通常医療を敬遠するいわゆる自然派の人は、中には流行りや他人の勧めで、あまり考えもせずに走る人もいるが、多くは自分で結構勉強していて、健康や自然に対する意識の高い人たちである。
考えもせずに、と書いたけれども、これも非難ではなくて、イイ勘しているということ。むしろ感性の方が役に立つ時も多い。

薬害訴訟で、国や医療サイドはどう振舞ってきたのか。
メタボ検診の理不尽さは何なのか。
喘息、アトピーはもとより、ガンや膠原病などの慢性病は、西洋医学ではいつまでも治らない病であり、むしろこうした病で苦しむ人は年々増えているのではないか。
ちなみに国内のガン死亡者数は年間34万人を超えて、増え続けている。
医療費が史上最高になったらしいが、これはつまり患者が減るどころか増えている、あるいは、一人当たりの医療コストが増えているということで、一体、医療が進歩していることの便益はどこに表れてくるのであろうか。

自然派じゃなくても、身内がガンなどの慢性病になったりすると、色々と気付く人が多いもの。
具体的な数字とか統計って、案外人の心に響かなくて、日常、肌で感じていることが大きく影響しているのである。

西洋医学に異を唱えている、西洋医学の医師だって多いではないか。

で、私が言いたいのは、医療敬遠というのは、なにもホメオパシーや代替療法だけが原因なのではないでしょ?今の通常医療そのものに全く問題はないんですか?ということ。
西洋医学というか医療システムに対して、そういう不信感を突きつけられているのだということも認識しなくちゃいけないんじゃないのかな。
私はデータ的な根拠はたいして持っていないし、提示もしない。それを調べてごらんよと言っている。

実際に、西洋医学で治らないと言われた人が自然療法で治ったり、あるいは、治らないまでも希望を持って生きていく支えになったりと、通常医療から見放された人たちの受け皿になっている部分も確実にある。
もちろん、悪徳商法みたいなのも確かにあって、ホメオパシーがそういうものという報道をされているのが残念な所なんだけれど・・・
実際に我々ホメオパスは、西洋医学ではどうしようもないという人たちの、いわばラスト・リゾートとして相談に乗ることも多いのであるし、良くなっていく人も着実にいるのである。
そうした面で、ホメオパシーのみならず代替療法・民間療法が西洋医学を補完しているという面をキチンと評価すべきだと思う。

そもそも医療費が史上最高になって、国はますます税金と国債の問題でアタマを悩ますご時勢で、患者が代替療法や民間療法を取り入れ、いわば自立して、自らの健康管理に積極的に取り組むことは、実は歓迎すべきことなのかもしれないのだ。
自然派の療法って、その根底には『自立』という姿勢があるので、本質的には悪いことではないのですよ。知らない人が多いと思うけど・・・
厚労省が立ち上げた統合医療を研究するプロジェクトチームも、そういう主旨じゃなかったの?

医療敬遠を防ぐために特定の療法を取り締まるというのは、自分の事は棚に上げてという感じで、なんかヘンだよね。自浄作用の存在が感じられない。
それに、患者にも選択の自由というものがあるだろうに。

ただ、繰り返すが、報道に取り上げられた普及団体の人たちの行為はおかしい。だがこれは、前に書いたように、そもそもホメオパシーじゃないので、療法自体の問題ではない。
これは、効くか、効かないかとか、科学的か、そうでないかという議論とは、別の領域の問題、つまり行っている人の倫理観の問題である。
ただそこに、極端な医療拒否という実情があるようなので、ホメオパシーそのものが疑われているという、メイワクな事態になっているわけだ。

話を蒸し返すみたいだけれど、新聞記事を見ていると、薬との併用のことに加えて、もうひとつ書かなければいけないことがある。
何が、カルト的な医療拒否に走らせるようなイデオロギーを産んだのか?
それが『好転反応』である。
うわー、ホメオパスとしては気が進まないねぇ、この話(笑)。

ご存知の通り、私は、『毒出し』という文脈においての『好転反応』について、前から疑問と警告を出していた一人である。
(知らないという人は、ここを読んでね)

再度書くと、際限なく長くなるので要約するけれど、自然療法で言うところの好転反応(メンケンなど)と、ホメオパシーでの好転反応(厳密には『ホメオパシー的悪化(Homeopathic Aggravation)』という)とは、専門的には異なるのだが、回復に向かう際に表れる反応(通常は不快な症状など一時的な悪化)という点では同じ。

こうした反応が出る人もいれば、出ない人もいるのだが、いずれにしても見極めは重要で、ある程度長い時間軸の中で、悪化が治まらないようであれば、対処を変えなければならないこともあるし、『コントロール』も考えなければならない。

そこへ、「これは毒出しが起きているから、我慢しなければいけない」「ありがたいものなのだ」という風に妄信してしまうと、病状が自然に悪化しているだけなのに、毒出しだとして、ひたすら我慢するという困った事態が発生することになる。
ホメオパシーの原理を悪用した洗脳になってしまうのである。
実はそういうことを、かつて私は暗示しようとしていたのだけれどね・・・(えっ、明示してたっけ?

症状そのものは、意味があって起きている。つまり何らか原因があることを示しているわけだから、そういう文脈では「ありがたいもの」であるし、レメディを選ぶ上でも症状は大切。
しかし、それを毒出しと称して、治癒効果が出ていない場面での時間稼ぎのように使ってはいけないし、薬を使わせないのもナンセンス(くどいこといっぱいあるけど、使わなくてもいいものを使えと言っているわけではない)。
薬を使ったら、どうなったかという観察があればいいのだから。

昔この話題について色々書いた時に、ちょっと嫌な思いをした体験があるので、もう書かないけれど、カルトのような洗脳効果を醸し出しているその根幹部分において、ホメオパシーの原理を転用されることには、怒りを通り越して、虚しさを感じるのだ・・・

なんかどうも自分でも煮え切らない記事になったが、次回は学術会議のコメント(科学的云々)について述べてみたい。

(もっともっとつづくね、これは)

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