『チャイナ・プロジェクト』が示唆する放射能汚染牛乳のリスク
空前の規模の疫学調査『チャイナ・プロジェクト』が示唆することは、
発ガン物質によって、腫瘍の形成のキッカケが作られるものの、実際に腫瘍が成長するには、動物性たんぱく質の摂取が大きく影響を与えるということ。
当然ながら、牛乳に含まれるタンパク質である「カゼイン」も取り上げられている。
牛乳とガンの関係については、『乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか
』でも指摘されている。同書では主に、牛乳に含まれるホルモンが発ガンに影響するとしているが、『チャイナ・プロジェクト』では、動物タンパク質としてのカゼインが、ガンのイニシエーション(形成開始期)よりもプロモーション(促進期)に関わるとする。
つまり、化学物質などの発ガン物質が遺伝子を傷つけ、この時に遺伝子の修復がなされずに遺伝的不安定性が生じる。このダメージを受けた細胞は、ガンを引き起こす可能性があるわけだ。
ここで、ある条件が与えられると、プロモーションが始まるのである。その条件が、カゼインなどの動物タンパク質の摂取。
一方、植物性タンパク質では、たとえ高レベルの量を摂取したとしても、ガンの増殖を促進するようなことはないという。
さて、上記のプロセスにおける化学物質を放射線に置き換えても同じことなのは言うまでもない。
すると、放射能で汚染された牛乳を妊婦や子供が飲むというのは、現況下では、最悪の選択となり得ることが分かる。
内部被曝によるイニシエーションと、動物タンパク質とホルモンによるプロモーションの両方を引き起こしてしまうかもしれないのだ。
学校給食では、牛乳はどういう扱いになっているのだろうか?
あぁ~考えたくない・・・
『チャイナ・プロジェクト』の邦訳は、『葬られた「第二のマクガバン報告」(上巻)』『同(中)』。『同(下)』と三分冊。けっこう読みごたえあり。
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