ガンを癒す

2014年1月24日 (金)

意味の世界

年明け早々に、対談本『生きる。死ぬ。』(玄侑宗久・土橋重隆著)を読了していたのだった。
内容は、首肯できることが多く、良い印象を持った。

土橋氏は、代替医療の世界も知る医師であり(帯津三敬病院にいたことがある)、かねてより、性格によってなりやすいガンが異なると唱えていた人だ。

臨床を通じて、「ガンは心の病」ということに気づいたという。
そして、治った人は何らかのキッカケで、生き方が変わっているとも。

病気の捉え方に関しては、生理学的な事実、つまりエビデンスに基づかなくても、意味の世界だけでもよいとする。
事実の世界を無視はしないが、意味の世界が大事だということである。

ただし、こういう場合気をつけなければいけないのは、「病の意味」、特にガンの意味という話になると、概して、残された時間をいかに意味のあるものにするかといった方向に走りがちであること。

治すことは(心のどこかで)諦めている。どうせ逆らえない運命なら、与えられた時間をどう過ごすかによって、人生を意味が変わってくる。
これは、アウシュビッツを生きのびたヴィクトール・フランクルが唱えた「態度価値」のことだ。

僧である玄侑氏がそうした死生観を説くのは、いわば生業であるから仕方がない。
だが、治療の担い手である医師の土橋氏が、意味の世界を強調して死生観を語るのはどうだろうか?
私は常々、治療家、療法家が死生観を持ち出すことに危惧を感じている。
それは、治らなくてもいいのだという暗黙のメッセージを与えかねないからである。

土橋氏の真意が、そうでないことを祈るばかり。
ただし、強調しておくが、この対談本は、たくさんの気づきがある良い本である。

2013年10月16日 (水)

賭ける勇気

たくさんの患者さんと接していて、しみじみ感じることがある。
それは、治すためには何より、治す心構えが必要だということ。

心構えとは、ある種の〈覚悟〉。
自分が今行っている取り組み、たとえば自助療法で、絶対治すと決断をし覚悟をしているかどうか?
すなわち、〈賭ける勇気〉があるかどうか?
自分で選んだ、この方法。それに賭ける勇気。それでダメだったら、仕方がない。悔いなし。そういう覚悟が必要なのである。

ただし、ダメモトという意味では決してない。
必ず治すと信じつつ、「これだけやってもダメなら仕方がない。人事を尽くして天命を待つ!」という態度のことだ。

それぐらいの信念、賭ける勇気がないと、それが三大療法だろうと、代替療法だろうと、自助療法だろうと、何をやってもうまくいかないものなのである。
逆に言えば、そういう覚悟があるからこそ、実践を徹底できる。

「抗ガン剤はしんどいし、これで治るかも分からない。できればやりたくないな・・・」。

そう思う一方で、「生活習慣を変えたり、代替療法や手当てをしたぐらいで、本当に治るのかな・・・」。

そんな風に、どちらも信じていない、何も信じるものがないようでは、治るものも治らなくなってしまう。
極端な話、抗ガン剤をやって、100%、頭のてっぺんから、つま先まで微塵の疑いもなく「これで絶対治る」と信じ切ったなら、決して勧めはしないけれど、抗ガン剤だってうまくいくかもしれない。

でも、多くの患者さんは、三大療法も、代替療法も、自助療法も、どれも信じ切っていない。
これでは、何をやってもうまくいかない。

そして、何よりも、誰よりも信じなければいけないのは自分自身(の治る力=自然治癒力)、すなわち自己信頼である。

手当てなどの自助療法の最大のメリットは、自己信頼を回復することができること。
同時に、自助療法というのは、自己信頼がないとうまくいかない(自己信頼があって最大限効果を発揮する)。
これは、ホメオパシーなどのいわゆる自然療法も、すべて同じ。

すると、やってみて自己信頼が得られるものなのに、自己信頼がないとうまく効かないとなると、ニワトリが先か卵が先かという話になるけれど、ここで「賭ける勇気」が要求されるのである。

これまで勉強と実践を重ねて、自らの人生観や感性に照らし合わせて、こうやって治すと自分で選び、決断したこと。それに賭ける勇気があるかどうか。
それが、自分を信じること、自己信頼への第一歩でもあるのだ。

100%治る保証なんてどこにもない(それはガンでなくても同じこと)。
だから何をやるにせよ、ガンの場合は、自分で決めたその何かに命を、人生を賭けなけりゃいけない。
多くの人は、できれば賭けたくない。怖いから・・・。
それは無理もない。
でも、そうやって賭ける勇気を持てずにグズグズしていると、すべて中途半端なまま成果が上がらず、結局時間切れになってしまう。
そういう人がたくさんいる。
賭けないのもリスクなのだ。

治るならやるんじゃない。これと決めたら治るまでやる。
それぐらいの覚悟をして、もちろん勉強を続け、実践を改善しながら粘り強く前進していくこと。
そうして、やるべきことをやり尽くし、さわやかに、ひたむきに取り組む姿勢を持てる人は、失敗したとしてもまた軌道修正してやり直していけるもの。
覚悟するとは、諦めることではない。生き抜く覚悟をすることなのである。

あなたはどうですか?

自分を信じる覚悟ができていますか?自分自身に賭けられますか?

2013年7月31日 (水)

ガン患者の食事について2

ガンになって玄米菜食を始めた人の多くが気になるのが「甘いもの」であろう。

まともな食養法で、「砂糖が良い」としているものはないと思う。
すると決まって出てくる質問が、白砂糖はダメとなると、黒砂糖では?
それもダメとなると、蜂蜜は?
メイプルシロップは?羅漢果は?
・・・と、キリがない。
なんとかして「お墨付き」をもらおうとする。

数ある食養法の中には、蜂蜜は良いとか、メイプルシロップなら良いとかされている方法もある。
けれど、積極的に、どんどん甘いものを摂れと指導する食養法はないはず。
せいぜい「控えめに」という程度であろう。
厳しい食養法では、野菜などの素材に含まれる甘さ以外の甘味を認めないものもある。

つまり、いずれにしても、甘いものはわざわざ摂らなくてもよいということ。

食事は躓きの石だと、前回書いた。
食事だけではダメで、生活習慣全般を変えることが必要だ、とも。

それは、ガンを作ってしまった〈これまでの自分〉を変える必要があるという意味。

だから何より大事なのは、蜂蜜やメイプルシロップが本質的に良いか悪いかの検証をすることではなくて、なんとかして甘いものを摂ろうとする態度をこそ、変えなければならない、ということなのである。

ガンになると、色々な人が色々なことを(たいていは好意で)言ってくる。
ネットで検索すれば、溺れそうなほどの情報の渦。
迷った時は、これまでの自分の習慣がどうだったかを考えてみることだ。
これまでの自分と同じことをしていないか?同じ態度で臨んでいないか?

そして、分からないときは、やらない。まずは引き算することである。

「癌」という字を思い出そう。
品物の山が招いた病。あれもこれもと背負い過ぎて、ガンになったのである。
口が三つは、食べ過ぎの意と解せ。

一旦、荷物を下ろすことである。余計なものは捨てる。
食べ物でも、健康法でも、治療法でも同じ。
まずは、悪いもの、悪い習慣をやめるという、引き算から入る。
そうして勉強と実践を重ねる中で、本当に良いと分かったものを少しずつ増やしていく。
足し算は、ひととおり引き算をした後で。

ところが多くの人は、正しい知識も経験もないのに、最初にあれもこれもと、良いと思われることを、とにかく手当たり次第やってしまう。
その結果、何が本当に良いのか分からなくなってしまうもの。
しかも困ったことに、そうなるとますます悪いことをやめることができない。

けれど、治すためには、良いことをするよりも、悪いことをやめる方が近道なのだ。
そのことをぜひ頭に入れておいてほしい。
ガンを本当の意味で治した人は、例外なく、悪いことを徹底的にやめて、改めた人たちである。

とにかく、引き算から始めよう!

2013年7月18日 (木)

ガン患者の食事について

ガン患者にいい食事は?

ということで良く(というか、しょっちゅう)質問を受ける。
特に、糖質制限食が最近ブームのようで、ガンと言えば玄米菜食と思っている人は混乱するようだ。 

そこで以下、私の経験を踏まえた意見を書いておこうと思う。
治った人も、治らなかった人も、とにかくたくさんのガン患者さんを見てきた者の立場として。

まず、玄米菜食といっても色々あるけれど、やり方や考え方はおおむね同じ。
細かいレシピや、生はどうとか、陰陽とかいったこだわり(=理論)や、病気別の対応法などが微妙に違うぐらいだろうか。
もちろん、なんちゃっての、まがいものもたくさんあるけれど・・・。

ここではそうしたまがいものは除くとして、まがりなりにも古来、長い年月を経てここまで生き残ってきた食養法には、一定の価値があると思う。
というのは、実践して、実際に恩恵にあずかった人がとても多いから。
どうしようもないものであるならば、とっくに廃れているはず、と私は考えている。

そして、そうして生き残ってきた玄米菜食を中心としたいわゆる自然食の方法には、消化吸収が悪いとか、フィチン酸の害だとか、アブシジン酸(発芽抑制ホルモン)の害だとか、さまざまなことも明示的ではないにせよ、経験的にうまく対処されていると考える。
(実際、そのように分析している人もたくさんいる)

たとえば、ひと口100回噛めと、ほとんどの食養法で言われるが、真面目に病気治しを考えている指導者ほど、このことを強調しているように見える。
だから、これはとても大事なことで、玄米を食べて、胃腸の調子が悪くなったと言う人は案外多いのだが、そういう人に限って、よく噛んでいない。

また、大腸ガンの場合、、繊維の多い玄米や野菜を避けるようにと多くの医者は言う。
けれど、そうした人の場合、ひと口100回とか200回噛んでいれば、たいていの場合問題ないもの。

実際に、胃ガンや、大腸ガンで腸閉塞を起こした人でも、玄米菜食を続けて元気な人はたくさんいるのである。
もちろん、どうするかは自己判断で、ということになるけれども、そういう決断を自分でできるかどうかも、治す態度としては重要なのだ。

フィチン酸やアブシジン酸については、炊く前に5、6時間水に浸けておくことで、多少、玄米が発芽を始めることから、害が軽減されるとされている。
フィチン酸によってミネラルが排出され過ぎるということも、ごま塩をかけたり、野菜を中心としたおかずで、十分に補えるはず。

何より、ガンを治したたくさんの先輩たちが、玄米菜食で元気いっぱいに過ごしていることが、少なくとも玄米菜食でおかしなことになっていないことの証拠だろう。

問題が生じるのは、玄米菜食をレシピとしてだけしか考えていない場合である。

食べ方や調理法など、たとえばマクロビオティックでも、細かく指導があるわけだが、玄米菜食で失敗する人の多くは、レシピだけ、しかも自分にとって都合のいい部分だけを取り入れてやっているもの。
食養というのは、ただ単に「これが良い」というものを食べるだけではないのである。

どの食養法を選ぶかは、最終的には、乱暴なことを言えば、好みの問題だろうか。
というのは、私も、ガンの患者学研究所も、あるいは、安保先生も、食事だけの問題ではないと考えているから。

もちろん、食事は大事。けれど、食事だけ一生懸命やっても病気は治らない、残念ながら。

実は、このことはマクロビオティックなどの食養法でも説かれている。しっかり勉強すれば読み取れるはず。
結局は、生き方を変える、つまり、生活習慣全般を変えなければならないということなのだ。
だから食事法というのは、あくまで入口に過ぎないということ。

あとは、やはり個人個人で体質が違うので、特定の食事法が合う合わないという問題も出てくる。
最終的には、自分に合うやり方を見出していかなければならない。
そのための近道は、マクロビでも、ゲルソンでも、治る食事でも、生菜食でも、何でも、どれか一つの方法を、指導された通りに忠実に、徹底的にやってみること。
その上で、徐々に、合う合わないが分かってくるので、そうしたら、別の方法に変えてみたり、自分で工夫して変えていく。

こういう話をすると、最初に選んだものが合わなかったらどうするのか?という質問をときおり受けるが、それは心配しなくて大丈夫。
たいていの人は、ちゃんとした食事法なら、ガンになるまでの食事よりもはるかにいい(笑)
なので、どれをやっても、一定以上の成果は得られるはず。

ただし、くどいようだけれど、世の中で一定以上の評価を得ている、ちゃんとした方法を実践すること。
そうして、自分の身体の声を聴きながら、自己最適化をしていくものなのだ。
(その意味では、治った人の、治った現在の食事法を真似してもダメなので、注意すること)

食事はとても大事、だけど、躓きの石でもある。

これもまた修行。学びと実践あるのみ。

2010年6月14日 (月)

千百人集会 後記

6月3日、4日、千百人集会が無事終了!
長い長い準備期間。いやいや、ホントに大変でした。
スタッフの皆さんおつかれさまでした。

実は私は、2日間の総合司会を務め、おまけに初日のプログラムのプレゼンもして、かなりヘトヘト・・・。
終わってみればあっと言う間だったが、去年の11月ぐらいから、ひたすら走り続けてきた感じ。
日頃、患者さんや、ガン患研の会員さんに、『生活習慣を正せ』と言っている自分が、再発しそうな生活習慣。
まあ、よく再発しなかったもんだ(笑)・・・って、笑っている場合じゃなくて、こういう事やって、6年前に再発したのだった。
これから少し充電しつつ、新たな目標に進みます。
えー、遅まきながら、7月に入ったら新婚旅行にも行くことになってまーす♪

さて、千百人集会はどうだったかというと・・・、
私は総合司会ということで、開催者側の人間なので言いにくいのだけれど、『素晴らしかった!』

7年前に開催された第1回を私は知らないが、治った人(〈治ったさん〉)があれだけたくさん一堂に会すると、凄いインパクトである。
本当に、行ってみないと、その良さが分からない。
私の妻も驚いていた。
ガンに対する考え方、イメージが絶対に変わる。

「そうだ、ガンは治るんだ!」

そう腑に落ちるのである。
これが何よりも大事なんだな。
世の中に、ガン患者のための集会や講演会は数あれど、実際にたくさんの治った人が生出演するイベントは他にないはず。

嘘だと思うなら、探してみてほしい。
30人以上の治った人が出てくる集会あるかな?
いや10人だってかなりムリ。

こういうことを書いていると、

「で、治った人がたくさんいると何が違うの?」

・・・と言う人が出てくるに違いない。

それは、行ってみないと分からんよ。

答えになっていないかって?
いや、とにかく『行ってみる人』が、治る方に入る可能性が高いとだけ言っておこう。
まず行動する人に、道は開けるのだ。

来てくれた人からは、『治るスイッチが入りました!』と嬉しい知らせが続々届いている。
そのエネルギーを与えてくれたのが、〈治ったさん〉たち。
本当に笑顔が素敵なみなさん、ありがとう!

人生最大のピンチを、最高の恵みに変えた人たち。
余命3ヶ月、半年、8ヶ月・・・。
再発・転移、「もう治りません」「治療法なし」。
もう何年も再発せずに、ガンになる前よりも元気。
そんな人たちが続々、笑顔で登場するのである。
あきれた、おどろいた、たまげた・・・当事者ながら、本当に凄い2日間だった。

2日間の司会というのも、これまた大変で・・・。
でも、2日目が終わって、妻と二人、お気に入りのイタリアン・レストランで祝杯。
ワインの美味しかったこと♪(〈これからさん〉たち、ゴメンナサイ)
腰とふくらはぎの痛みも吹き飛ぶかのよう。

次回は、いつになるか分からない。
しばらく休みたい(笑)
2足のわらじを履くというのも、なかなか大変なものです。
しかし、まだまだやるべきことが、たくさんあるのだと認識できた・・・認識してしまった瞬間でもあった。
人間、やるべきことがあるうちは、なかなか死なないでしょう。
再発しているヒマもないわな。
感謝しなくてはね!

2010年5月 2日 (日)

リレー講演

ガン患研ネタが続きます。

敬愛する同志、織田さんと星野さんが、関東エリアで『リレー講演』をしています。

すでにかなり日程消化しているのだけれど、まだ3回ほどあるので、この機会に是非どうぞ。
二人の熱いエネルギーに触れて、元気をもらってください!

周囲にガン患者さんがいたら、教えてあげてね!!

以下、案内

ガンを治した二人が、ガンをはねのけ、生き抜く力を伝える

『全国リレー講演』


関東地区にて、大好評開催中!

NPO法人 ガンの患者学研究所(所在地:神奈川県横浜市、代表:川竹 文夫)は、
全国のガン患者さんに勇気と希望の灯を灯すべく、ガンを治した二人の元患者による、ガンを治すための戦略を伝える『全国リレー講演』を関東地区からスタートしました。

国立がんセンターも認めるように、ガンは生活習慣病。患者さん本人の間違った生活習慣が原因となって出来た病気です。食事を改め、規則正しくゆったりと暮らし、ストレスをやわらげ、人生の問題を解決し・・・そうすればガンは治るもの。それどころか、ガンになる以前よりもずっと健康で幸せな人生、「ウェラー・ザン・ウェル(Weller than Well)」を実現出来るのです。
事実、私たちガンの患者学研究所の仲間のうち、約300人が、そんな素晴らしい毎日を送っています。

講演では、ウェラー・ザン・ウェルを実現した二人の講師が、自らの体験を交えながら、ガンを治すために必要なことを詳しくお伝えします。

 

 

◆二人の講師からのメッセージ◆


織田英嗣(おだ えいじ)
 NPO法人ガンの患者学研究所 副代表

私は、4年前、食道ガンになりました。

15時間に及ぶ手術は成功したものの、子供たちがまだ小学生ということもあり、先行きの不安から、睡眠薬がないと眠れない日々。いつも再発の不安と恐怖におびえ、うつ状態・・・5年生存率40%、10年生存率20%・・・不吉な数字も頭から離れないのです。

そんなある日、私はガンの患者学研究所が提唱する〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉に出会い、大きな希望を見つけました。

といってもそれは、特殊な治療法や高価な健康食品などをすすめるものでは、決してありません。

〈生活習慣の改善によって、ガンの原因を取り除く〉…あっけにとられるほどシンプルなもの。お金もかかりません。もちろん、副作用などまったくの無縁の世界です。


あらゆるできごとの〈結果〉には必ず、〈原因〉があります。ガンも例外ではありません。ガンという病気はあくまでも、ある特定の原因がもたらした結果です。では、原因は?

 〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉では、その主なものを「ライフスタイルの乱れ」「食の乱れ」「心の乱れ」の三つ。つまり、生活習慣の乱れが原因だと考えています(最近では、国立がんセンターの医師たちもこの考えにたっています)

 
では、三大療法とは、どんな治療なのか。三つの原因にはまったく手をつけず、ガンという結果を攻撃するだけ。手術で切る、抗ガン剤で毒殺する、放射線で焼く・・・けれど水面下に隠れたガンの原因はそっくり残ったままですから、やがてまたガンが出てきます。これが再発・転移です。


どんなに大手術に耐え、それが成功したと言っても、原因を取り除かない限り、いつ再発しても不思議ではない…私はそう直感しました。

同時に、この原因さえ取り除けば、再発の恐れはなくなるのだ・・・医者から告げられ生存率がどんなに低かろうと・・・。そう確信できたのです。

しかも原因のすべては、私自身が作り出したものです。つまり、ガンは自分で作ったもの。だったら、自分で治せる!

 

それからの私は心機一転。周囲から「何も、そこまでしなくても」と驚かれるぐらい生活習慣を180度、徹底的に変えました。ひとつひとつ原因を取り除いていくことで、高血圧、高脂血症、肝機能障害、うつ病、アルコール依存症など病気の巣窟だった私の身体は、日に日に良くなってきたのです。

そして今、私は再発・転移の不安など全くなく、ガンになる以前など比べものにならないくらい、心も身体も健康な日々を過ごしています。

 

星野由紀子(ほしの ゆきこ) NPO法人ガンの患者学研究所 研究員

 

初めまして。星野由紀子と申します。

私は長年、看護師としてたくさんのガン患者さんのお世話をさせていただきましたが、

2005年、今度は私自身が患者になったのです。スキルス胃ガンで、しかも、余命半年とのことでした。


病院からは、まず手術を勧められました。けれど私は、多くの患者さんが、手術をしてもやがて再発や転移をしてしまうという現実をたくさん見てきましたし、抗ガン剤や放射線で苦しみながら亡くなっていく姿もいやというほど知っています。

 

そこで「切らずに、自分で治す」ことを決意したのです。

初めは私も「ガン=死」というまったく誤ったイメージを持っていましたが、〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉との出会いによって意識が変わり、さらに三大療法以外の方法で治った多くの人の体験から学ぶことで、希望を持って生活習慣の改善に取り組むことができました。

食事・運動・気功で身体を変えていく一方で、つねに希望にあふれた前向きな考え方を持ち,不安や恐怖からくるストレスをやわらげることなどを徹底的に実践したのです。

 

途中、何度も吐血し、救急車で運ばれるという危機にも直面したのですが・・・2007年、ついに腫瘍は消失。ガンを自然退縮(自然治癒)させることに成功したのです。

発病から治るまで、私が歩んだこのプロセスは、詳細なデータと共に学会で発表され、大きな反響を呼びました。またさまざまな雑誌や新聞も取り上げてくださいました。

ガンは自分で治せる。私は今、そう確信しています。だからといって私は、自分のやり方をおしつけるつもりはまったくありません。

 

織田は大手術を受けました。私は三大療法をいっさい受けていません。表面的には、まったく違った展開に見えますが、二人には見事に共通する点があります。

それは、生活習慣を徹底的に改善し、ガンの原因を取り除いたことです。

そしてその結果、ガンになる前よりも、心身ともに健康で幸せな人生『ウェラー・ザン・ウェル』を実現することができたということ。これこそが、〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉の目指すところです。

 

どんな治療法を選ぶかは、あくまでも患者さん本人が決めること。私も織田もその選択を尊重しつつ、けれど、決して医者任せにしてはいけないと主張します。

また、たとえ今がどんなに絶望的な状況であっても、患者さん自身の努力によって、治すことはいくらでも可能です。講演会では、そのことを詳しくお伝えしたいと思います。

 

ガンと分かった時から、私には、大切に抱いてきた夢がありました。

それは「ガンを治して、ガン患者さんのサポートをしたい。本当に治るために役立つお手伝いをしたい」ということです。

今、その夢が叶い、ガンの患者学研究所のスタッフとして働くことになりました。生きていることは素晴らしいことです。たとえ今が、どんなに苦しくても大丈夫です。

どうかみなさんも希望を持ち、治すための行動をすぐ始めてください。一緒に頑張りましょう!

 

 主なプログラム◆

 

1. 治す戦略・治る確信

 〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉の考えに基づいた治し方が理解できます。

2. 私はこうしてガンを治した

 講師二人の具体的な取り組みは何よりの参考になるでしょう。また、ほかにもわたしたちの治った仲間がみなさんの応援にかけつけます。なんでも聞いてみてください。

3. 治るために大切なこと

知は力なり。けれどもっと大切なのは実践。すぐに行動が開始できるようアドバイスをさせていただきます。

 

リレー講演に来ていただければ、以下のような様々な発見や気づきが得られるでしょう

  • 自分がなぜガンになったか、その原因が深く理解出来るようになる
  • これからの治療をどうすれば良いかが分かり、治る道筋が見えてくる
  • 三大療法以外に、治す方法はたくさんあるのだと分かる
  • 再発・転移の不安が無くなる
  • 「ガン=死」ではないと納得でき、勇気がわいてくる
  • これ以上、副作用に苦しまなくても良いのだと分かる
  • ガンを治す仲間に出会え、自分は決してひとりではないと、気持が明るくなる
  • 実際にガンを治した人に会うことでき、希望が持てるようになる
  • ガンを治せる自信がつくだけでなく、自分も『ウェラー・ザン・ウェル』を実現出来るという可能性を実感できる

 

ガン患者さんとそのご家族に、新たな希望と勇気を持っていただけますよう、二人の講師が、元ガン患者として、〈ウェラー・ザン・ウェル患者学〉との出会い、そして治る希望をお届けします。心を込めて。

 

◆ウェラー・ザン・ウェル患者学とは?◆

 

ただたんにガンを治すだけでなく、ガンになる前より、心身ともに健康で幸せな人生『ウェラー・ザン・ウェル』を実現するための道筋を示した、世界でも類を見ない実践的な体系。

代表川竹文夫による講義を収録した3巻のビデオ『ガン完全治癒の法則』は、全国いくつもの病院やクリニックで治療の一環に取り入れられており、患者さんだけでなく、医師も積極的に学んでいる。

 

 

『関東地区リレー講演』概要

開演  : 14:00 (開場 13:30
閉会  : 16:30
参加費 : 2,000円(当日受付にて)

日程・会場 : 

 

  • 58() 町田 ぽっぽ町田 会議室12 TEL:042-723-8770 JR小田急町田駅下車徒歩35
  • 516() / 517() 有明 東京ファッションタウンビル(TFTビル)東館9階 研修室910 東京都江東区有明3-6-11 TEL:03-5530-5010 りんかい線国際展示場駅下車徒歩5分 ゆりかもめ国際展示場正門駅下車徒歩約1分

 

詳細URLhttp://www.naotta.net/lecture/ 

 

<お問い合わせ先>
NPO
法人ガンの患者学研究所
TEL
045-962-7466

2010年4月18日 (日)

千百人集会

6月3日、4日、ついに伝説の千百人集会が開催されます!
以下に、マスコミ向けリリースを掲載します。
来てね!!


ガンを治した100人が集結!


これから治す1,000人を励ます、

笑顔の大交流会


『第2回 千百人集会』開催!


~手術などの三大療法以外の方法でガンを治した自然退縮者も多数登場~


NPO法人 ガンの患者学研究所(所在地:神奈川県横浜市、代表:川竹 文夫)は、
手術などの三大療法以外の方法でガンを治した自然退縮者を含む100人が体験談を語り、これから治したい1,000人のガン患者さんを励ます交流会『第2回 千百人集会』を、201063()4()2日間、パシフィコ横浜会議センターにて開催いたします。

2003
年に開催され大成功を収めた『第1回 千百人集会』は、闘病中のガン患者さん1,000人と、ガンを治してすっかり元気になった元患者さん124人が集まり、2日間に渡って徹底的に体験の交流を行う、勇気と希望に満ちたものでした。

この集会の特徴は、その規模もさることながら、100人もの治った人が集まることです。

ガン患者さんが何よりも心待ちにしているものは、言うまでもなく「治る」という希望。100人もの治った人を実際に目にすれば、治るということが他人事や例外ではなくなります。

『第2回 千百人集会』に集まる治った人たちは、余命宣告、末期、手術不能、再発、転移など、様々な状態から生還し、ガンになる前よりも元気で幸せな人生を楽しんでいる、笑顔の素敵な人たち。

どんな絶望的な状況でも必ずチャンスはあるのだと、勇気と希望を与えてくれます。




その中のひとり、星野 由紀子さんは、

2005年、看護師として在職中にスキルス胃ガンを発病。Photo_2

 

働いていた病院で、多くのガン患者さんが苦しみながら亡くなっていく姿をつぶさに見てきた経験から、余命半年と言われながらも、手術をせずに治す決心をしました。

何度も吐血して救急車で運ばれる危機を乗り越えて、20079月、ついにガンが消滅したのです。


『第2回 千百人集会』には、星野さんをはじめとして、三大療法(手術・抗ガン剤・放射線)以外の方法でガンを治した自然退縮者も多数登場します。

ガンの自然退縮は、西洋医学では有り得ないこと、例外として捉えられております。医療の現場でそうした人が出ても、あくまでも例外。それどころか誤診として片付けられてしまうこともしばしば。

 

しかし、このパンフレット をご覧ください。掲載の方々は、全員ガンが治った人ですが、自然退縮者が13人もおります。

この数を知れば、大抵の医師は驚愕するか、あるいは全く信じようとしないでしょう。

そして、こうした自然退縮者本人が何人も公の場に登場する機会は、世界でも『千百人集会』をおいて他にはないはずです。

 

もちろん自然退縮だけではありません。初期から末期まで。多臓器転移からの、再再発ガンからの、そして余命宣告からの生還・・・ここにあるのは、あふれんばかりの喜びと誇りです。ガンという悪夢を跳ねのけて、新しい命を獲得した人たちの命の跳躍です。

 

この笑顔、笑顔、笑顔・・・・!

 

ガン患者を集めるイベントで、こんなに心底明るいものがかつてあったでしょうか。こんなに希望に満ちたものが、他にあるでしょうか。

 

彼らの存在は、ガンは治すことが出来るものであること、そしてさらにガンを治した先には、もっと健康で幸せな人生が待っていることを教えてくれます。

精神神経免疫学では、あらゆる病気の発病と治癒に、心が決定的影響力を持っているといいます。

笑顔と希望こそが、ガンを治す上で重要なカギを握っているのです。

 

100人もの治った人が体験談を語り、心の交流を図るこの大集会は、

これから治したい1,000人のガン患者さんにとって、最高の励ましとなるでしょう。


『第2回 千百人集会』概要

日時  : 201063()4() 2日間
      312:00193048:3016:00 予定
場所  : パシフィコ横浜会議センター
      〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
参加費 : 24,000(2日通しのみ) ご家族ペアの場合は45,000
      (ガンの患者学研究所『いのちの田圃の会』会員割引あり)
     宿泊費は含まれておりません。
詳細URLhttp://www.naotta.net/1100/top.html

●参加費について●

百パーセント患者の立場に立つため、私たちは一切のスポンサーや広告を取らず、組織運営、会報発行、イベント等、すべて自前でまかなっています。
お金をもらってどうして本当のことが言えるでしょうか。
参加費には、その決意が込められています。

 

<お問い合わせ先>
NPO
法人ガンの患者学研究所
TEL
045-962-7466

NPO法人 ガンの患者学研究所について◆

代表   : 川竹 文夫(かわたけ ふみお)
本部所在地: 〒227-0033 横浜市青葉区鴨志田町569-1-17-105
設立   : 1997
会員組織 :『いのちの田圃の会』 会員数 2,700
支部   : 全国に50ヶ所以上
      支部はすべて『いのちの田圃の会』のガン患者さんと

そのご家族のボランティアで運営
URL
   : http://www.naotta.net

「ガンは治る。再発・転移はもちろん、手遅れと言われた末期ガンも、やはり治る。治す力は、あなたの中にすでにある」。自ら腎臓ガンになった川竹 文夫が、この言葉をかかげて1997年に設立。
下部組織である『いのちの田圃(たんぼ)の会』は、全国に約50の支部を持ち、毎月、例会を開き、学びと実践を深めています。

ガンという最悪の出来事を、人生最大の恵みに変えられるような人が増えることを願って、ガン患者さんをサポートしています。
小さなボランティア団体ですが、元ガン患者である代表 川竹をはじめ、スタッフにも元ガン患者やガン患者の家族がおり、治った患者さんの笑顔が見たいという熱意はどこにも引けをとりません。

代表 川竹 文夫 略歴◆
1990
年、NHKのディレクターを務める中、腎臓ガン発見。日本国内、海外の生還者体験談を集め、発病から2年後その成果を3本の1時間番組、教育テレビスペシャル『人間はなぜ治るのか』にまとめ、大反響を得る。1995年、番組内容に大幅な追加取材をし『幸せはガンがくれた』を出版。1997年、NPO法人 ガンの患者学研究所設立。

※NPO
法人 ガンの患者学研究所は、神奈川県から認証された特定非営利活動

法人です。一切の宗教、政治、商業主義とは無関係です。

2010年3月 4日 (木)

後悔の役割

おっとっと、油断すると、あっという間に投稿せずに時間が過ぎてしまう・・・

しまった! 「失敗の心理」を科学する 』に、意思決定における「感情」とりわけ後悔の念が果たす、微妙ながら大きな役割について述べている、こんなくだりがある。

一般に人は「不作為」よりも、「行為」に対して大きな責任を感じるものである。誤りを犯しそうなときは、むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ。というのも、不作為は受身のできごとと見られがちだからだ。自分は何もしなかった、だからその結果に感じる責任も小さい、というわけだ。

人は数ある後悔の中でも、「後悔する優先順位がある」というわけである。
すると、最初に選択・決定したことに固執するという態度が生まれる。

ガン患者の選択と決断にも同じような事が起こる。

一般的なガンのイメージからすると、ガンというのは、かなり分の悪い勝負である。
(私はそうは思っていないのだけど)
そういう先入観の元で治療を始めて、うまく行かないとする。
では、思い切ってその治療をあきらめて、他のことを選択すればいいじゃないかと思われるが、これがなかなか出来ない。
新しい選択をして、悪くなるのがいやだからだ。
でも、ちょっと考えれば、うまく行っていないのだから、変えた方が良い場合も多いはずである。

ここには、医者任せ、治療家頼みの姿勢も影響している。
人に治療してもらえば、楽である上に、失敗したら相手のせいに出来る。場合によっては訴訟も出来る。
でも自分で何かを選択して、実践する(例えば食事療法など)して、うまくいかない場合は、誰も責める事が出来ない。つまり、後悔が大きい。

ついでに言えば、患者の家族もそういう傾向を持っているので、「やっぱり先生の言うとおりにやろうよ」となる。

余談になるが、立花隆氏がNHKの番組で「抗ガン剤はやらない」と発言した事で、抗ガン剤を拒否した人が、それまで反対していた家族の理解が得られたとか、本人が抗ガン剤が良くない事を初めて知ったという話を方々で聞く。

この『後悔の役割』は、最初にガンと言われた時の治療の選択にも影響している。
あの時手術しておけば・・・という後悔を回避するために手術を受ける。
一見、これは能動的な選択のようであるが、そもそも医者依存から来ているので、受動的な選択であり、実は自分は行動を起こしていないのだ。

むろん、これらは「ガンは治らない」という悪質なイメージに起因する。
そしてリスク回避的になり、自分で決断しないで、「お任せします」。
実は、リスク回避出来ていないのだが・・・

この無意識に後悔を回避するメカニズムは、損切り出来ない心理とも同じであろう。
『投資トラップ』と呼ばれるそうだ。
まだ効き目が出ない上、副作用もキツイ。徐々に悪化しているけれど・・・

ここに2種類の投資がある。
①ここまで治療費を投じてきた、②こんなに苦しいのを我慢して頑張ってきた
ひょっとしたら、明日にでも、1週間後にでも、良くなるかもしれない。

で・・・損切り出来ないのである。
それは、凄まじい後悔の源となるものだ。

私は、そういうプロセスに陥った人を叱咤する気も、馬鹿にする気も全くない。
色々やって気付いた人にも、くよくよ長いこと後悔してほしくない。

その時点での自分の知識や経験からベストの選択をしたのだと自分を褒めてあげよう。
いつだって、やり直すチャンスと時間はあるのだから。
気付いた自分も褒めてあげて。大丈夫!

ウェラー・ザン・ウェル患者学では、こう教えている。
『行動だけがあなたを救う』

明日のために、行動あるのみである。
依存を捨てよ。
ホメオパシーを利用する時も、同じこと。
自分で責任を取り、自分と向かい合い、前に進もうとする人に治癒は訪れる。

まずは、一歩踏み出してみよう。

2009年4月24日 (金)

汝の敵を愛せ

佐藤優さんの「獄中記 (岩波現代文庫 社会 184) 」に面白い記載があった。
あまりにも有名なイエスの言葉、「汝の敵を愛せ」についてである。

佐藤さんによると、神学プロパーの勉強をした人たち以外に、この言葉ほど誤解されてきた言葉はないという。

同書に引用されているのは(引用の引用になってしまうが)、

「敵を愛し、あなた方を憎む者に親切にしなさい。悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい」(ルカによる福音書6・27-28)

「あなたがたも聞いているとおり、隣人を愛し、敵を憎めと命じられている。しかし、私は言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」(マタイによる福音書5・43-44)

まずこれは、誰でも愛せということではなく、味方と敵をきちんと分けて、敵を愛せという意味で、「敵を愛する」ということは、白旗を揚げ敵に屈服する、あるいはおもねるということとは違うものだという。

憎しみの論理は人の目を曇らせる。敵を憎んでいると、闘いの構造が見えなくなり、従って対応を誤るのだと、佐藤さんは言う。
こういった理解は、神学的にはそれほど稀な解釈ではないそうだが、私にとっては神学的な価値はさておき、読んでいて、これはガンに対する姿勢も同じだなと感じた。

自然療法・代替療法・自助療法のアプローチは、自分に優しく、気持ちよく、心身をいたわって、自分らしく自然に生きようというものである。

そこで必然的に生じてくるアフォリズム(金言・箴言)が、「ガンを愛しなさい」「ガンに愛を送りなさい」「ガンに感謝しなさい」なのである。

ガンは自分で生み出したもの。元は自分の細胞であるから、ぐれてしまったとはいえ、自分の一部である。
だから侵襲的な治療で叩こうとすると、結局、自分も無傷では済まない。
これで永久撲滅ならばまだ救われるのだが、常に再発のリスクは残る。
場合によっては、治療でヘトヘトになって、最悪の場合は治療で死んだのか、ガンで死んだのか分からないようなケースもある。
「ガンは無くなったけれど、患者は死んでしまった」という、例のブラック・ジョークにもならない逸話を作ることになりかねない。

もう少し同書から引用する(またしても引用の引用だが)

「敵を愛することは、報復するのではなく。創造する愛である。善を持って悪に報いる者は、もはや反撥ではなく、何か新しいものをこしらえるのである。敵を愛することは、敵意から本来的に解放されることから生ずる、あの尊厳性を前提とする。敵を愛することは、決して敵に屈服することではない。ましてや敵意を敵に与えることによって、敵意を増幅することを意味しない。もしそうなったら、敵を愛する主体は、もはやそこにないことになる。むしろ問題は、敵意の知性的な克服にほかならない。敵を愛する時、人にもはや「私は、どのようにして敵から身を守り、敵をおどしてやめさせることができるか」とは問わない。むしろ、「私は、どのようにしたら敵から敵性を取り去ることができるか」と問う。敵を愛することによって、私たちは、敵を私たち自身の責任の中に引き込み、そこにまで私たちの責任範囲を広げるのである。それゆえ、敵を愛することは、「心情倫理」とは全く別なものである。それこそ、真の意味の「責任倫理」にほかならない。」
(現代プロティスタンティズムの標準的神学者ユルゲン・モルトマンによる「イエス・キリストの道、メシア的次元におけるキリスト論」212項)

いやー、びっくりするではないか。
ここには、自然療法のガンに対する姿勢だけでなく、ウェラー・ザン・ウェル患者学のエッセンスもちりばめられている。

  • ガンを愛することで、ガンとの敵対関係から解放される。敵意を与えるとは、侵襲的な治療で事態を悪化させること。
  • ガンから身を守ったり、ガンをおどす必要はない(それは自分の一部である)。そうではなくて、どうしたらガンから敵性を取り去ることができるかを考えよ(心身に優しい生き方・治療をせよ)。
  • ガンについて、自分で責任を取れ。

「汝の敵を愛せ」というイエスの言葉は、解釈によってはこんな形でガン患者学に適用出来るものだったのだ。

「私、毎日ガンにありがとうって言うようにしているんです。」
「感謝の気持ちを持って日々過ごすようにしています」
いいって聞いたから日々実践しながらも、「こんなんで、本当に治るんだろうか?」と心の片隅に浮かんでいる人がどれだけいることだろう?
それどころか、「私をこんな目に遭わせた憎きガンに感謝なんか出来ない」という人も多いだろう。

アフォリズムは、解釈・注釈が必要である。簡潔であるがゆえに美しいが、誤解・曲解が生じやすく、運用を間違える可能性がある。
私の解釈が正しいかどうかの判断は他者に委ねるとして、あるアフォリズムをただ真似して唱えているだけではなく、考えるヒント、学びの出発点として利用しなければならないだろう。

「汝のガンを愛し、感謝し、祈りを捧げよ」と聞けば、美しい。
しかし、腑に落ちないところで唱えても、続けるのが難しく、不安も生じる。
心の底から沸きあがる愛、感謝があってこそ、癒しに繋がるのである。

もちろん、愛を送る、ありがとうと言う、祈りを捧げるという行為は、凄くパワフルなので、日々実践することは大切である。
しかし本当に効果を上げる(これが本当はいやらしい発想かもしれないが)ためには、漠然と行うよりは、理性(実行する意志)と本音(潜在意識)のズレを解消した方が良いと思う。

それには様々な機会を見つけて学ぶ必要があるのである。
身近な所や、古典、宗教経典・教典、哲学書などに、たくさんヒントがあるのだと改めて思う。
専門的な解釈なんかどうでもいい。自分が腑に落ちればいいのだから。
私は今回、なんだか腑に落ちちゃったのだ!

この記事は、敵ではないけど、佐藤優さんへの感謝で締めくくらなければなるまい。
ありがとうございます。

2009年2月11日 (水)

治療法の選択は、生き方の選択

ごぶさたです

鳥越俊太郎さんが、「肝転移」で手術となってしまったようですね。

ニュースを観て感じたのは、つくづく治療の選択とは、生き方の選択なのだなぁということだ。

彼は、「ガンは敵じゃない。ずっと付き合っていく友達だと思うと随分違ってくる・・・」という事を言っていた。
それはいい方向性である。
元々は自分の身体の一部であり、自分の人生を振り返る機会を与えてくれるものであるから、敵と思う必要は無い。
敵だと思って攻撃しようとするから、侵襲的な治療で自分を痛めつけることになる。

しかし、ずっと付き合っていくのはいかん(笑)
ましてや、付き合い良すぎて一緒に死ぬのはもっといかん!
なるべく早めに、「ガンちゃん、ありがとう。さようなら~」と言えるようにならないと。

いつも追っかけている訳じゃないが、私が彼の言動にそれなりに注目するのは、有名ジャーナリストであるからだ。
こういう、情報が豊富に手に入る(はずの)人が、ガンになってどういう選択をするのか?
そこに興味がある。

もちろん、同じガン患者としては、ぜひぜひ治って欲しい。
これは、どんな人にも、等しくそう思う。
私からすると「何でそっちに行っちゃうの~?」という治療を選択した人でもね。

さて、彼は既に医師から、肺と肝臓に転移する可能性があると言われていたそうである。

時々思うのだが、ガン細胞って、アタマいいね(笑)
最後には、全摘出不可能な部位に転移する・・・脳、肺、肝臓、骨。
あまり攻撃して脅かすと、切羽詰って逃げ込んじゃうんだ。
治療だけじゃないよ、生活習慣、ストレス、etc・・・いぢめちゃだめよ

閑話休題。
大腸ガンの肝転移は、かなり前、5年後生存率0%だった(細かい部位のどれとか分からないが)。
しかし、ゲルソン療法で有名な星野先生が、この0%を破った。だから少なくとも0%ではない・・・と、ご本人が言っておられた。希望はあるよ。

鳥越さんは、医師の予見を受け入れた上で仕事を続けられている。
見えない所でどういう自助努力をされているのか?
以前、何かの番組で、早起きして散歩と運動とかされているのは観たことがある。
それなりに取り組んでおられるなという印象はあった。

あとは、ガンは友達として付き合っていくという彼の言葉が何を示唆しているのか?
例えば、緒方拳さんは、仕事を取ったように見受けられる。
鳥越さんは、本人の中でどうなのだろう?少なくとも仕事は辞めていないよね。
彼の意味するところの「ガンは友達」ということが私には消化できない。
むろん、ガンになっても仕事を続ける。あるいは仕事に生きる。それは一つの崇高な態度だ。
これぞ生き方の選択である。

が、しかし、彼らの生き様を敬い、語り継ぐことは素敵だが、闘病の理想と捉えてはいけないと思う。
それは、彼らにとっての闘病であって、ガンに対する取り組み方は、人それぞれなのである。

何でいちいちこんなことを書くのかというと、
メディアで鳥越さんのような人がクローズ・アップされると、「我々に勇気を与えてくれる」と賞賛される。
くどいようだが、私も頑張って欲しいなと思うんだよ。
しかし、彼と同じ様にやることが、必ずしもベストではないよという事なのだ。
「とにかく頑張って治療しようよ!」と、(この場合、西洋医学を指すわけだが)その頑張りに感化される人が増えそうで、私はゾッとするのである。

鳥越さんが自ら選択した生き様に感動する。緒方拳さんの役者魂に感激する。
しかし、それは彼らの物語だ。
私には私の、あなたにはあなたの物語がある。

私は、もう結構身体にメスが入っているので、これ以上は勘弁してもらいたい。
モグラ叩きは、もうたくさん・・・そう思う人もいるでしょ?
これはもう、生き方なんだなぁ・・・好き嫌いというか・・・

私がもし凄い俳優だったら、死んでも演技を続けるという生き方の選択もある・・・かも?
いやいや、まず治療に専念して、治してから仕事に戻るかな、やっぱり。
概念上の重要な差異は、私はガンは治る病気だと知っているということだろうかな。
この出発点の差は、天と地ほども違うだろう。こっちは生き方というより、知識の問題。

鳥越さんのような有名ジャーナリストが、どうして西洋医学以外の方法に行き着かなかったか?
悪いと言っているのではない。その結論へのプロセスが気になる。
彼の理由は知る由もないのだが、ガンになった有名人を見ていつも思うのは、どうして「ガンの患者学研究所」に行かないのかな?
最先端の治療を優先的に受けられるから、見えなくなるのかもね。

しかし、治らない、治らないかもしれない、5年生存率○○%・・・そういう所だけに治る方法を探しに行ってどうする!
治し方は、治した人から学ぶべきだ。<治ったさん>が、ガン患研にはたくさんいるのだから。
そして、ガンは治るものと知るべきである。決してミラクルではない。

なんだ、ガン患研の宣伝か?と思われるかもしれないが、私が言いたいのは、いわゆる知識人と目される人が、世間の常識に縛られて思考停止に陥っているのを見るとガッカリするということだ。
いや、知識人だからこそ、既成概念でしか考えられないということもある。
少なくとも、両方(西洋医学とその他の方法)を見てから決めるべきだと思うけど。
筑紫哲也さんや緒方拳さんは、ちょっと別のものを垣間見ていたようだよね。
でも、治るものと知ったら、どういう選択をしただろうか?

治った人を何人も目の前で見ても、心の底では治ると信じられない人、腑に落ちない人がたくさんいるという事実に、私はしばしば圧倒される。
いかに潜在意識への刷り込みが強いか分かるというものである。
ドラマや小説など、決まってガン患者は死ぬものとして登場する。しかも、凄まじい闘病をして死ぬものというイメージが付きまとう。
ガン患者は、このネガティブなサブリミナル効果から逃れなくてはならない。
そういう意味でも、鳥越さんの今後は重要なのである。

鳥越さんは、色々調べ抜いて考察した上で(つまり思考停止しないで)、今の生き方(=治療)を選択したのだと私は思っているけど、それならばいつか、今の選択に至る思考という観点で公に語って欲しいとも期待している。

講演とかで色々語っておられるようだが、私は「(転移巣を)取ってしまえばそれでいい」といった優等生的な(?)発言を聞きたいのではないのだ。
ガンになったトップ・ジャーナリストとして、彼が肝転移を切り抜けて、これから何を伝えてくれるのか?
それを楽しみにしている。

鳥越さんは治る、治る、治る、治った~!おめでとう!!
ポジティブなサブリミナルの輪を広げよう

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